トルタンタロンの思い出

トルタンタロン。フィリピンの家庭料理。ナスを丸ごと卵で包んで焼いたオムレツです。ショッピングモールやマカティにあるような"フィリピン料理レストラン"には無いけれど、街中のカンティンにはだいたいあります。30ペソくらいです。

フィリピン料理のトルタンタロン



トルタンタロンは恐らく、私がフィリピンで最も頻繁に食べていた料理です。私の中では、シニガン、チキンアドボと並ぶ、大好きなフィリピン料理の一つです。

 

ある日、Litexというジープニーターミナルのいつもの店に朝ごはんを食べに行きました。週に2度インターンシップに行くときに、その店で食事をするのは私のルーティンでした。ごはんとおかずを頼むとちょっと野性的な香りがするスープをサービスで付けてくれます(一瞬うってなるけど、美味しい)

その日は、トルタンタロンを頼んでカラマンシ醤油をかけて食べました。9割ほど食べた時、ナスのヘタと卵の間から、ナスでも卵でも何でもないものがいることに気が付きました。はい。2匹の幼虫でした。信じられず、じっくりと観察してみましたがやはり幼虫でした。え。まじか。

驚きましたが、意外にも驚き以外の感情は湧いてきませんでした。その後も幼虫の近辺だけを避けてトルタンタロンをたいらげてしまった自分にも驚きました。ああ、私、こういうの大丈夫なんだ。と思いました。

お店のおばさんに、幼虫がいたことを言うか言うまいか迷ったけれど、人に料理を提供するという商売をしているんだから、気を付けてほしいな、いちおう伝えておこうと思い伝えました。

そうしたら、

「あ~、ナスだからね!ハハハ」

という答えが返ってきました。予想外の答えに戸惑いましたが、私も反射的に笑って「あ~、そうだよね」と言っておきました。

その時私は初めて、ナスには幼虫が住んでいるということを知りました。だから、私たちが食べるナスに幼虫が紛れていても何もおかしなことじゃないんだなと思いました。むしろ幼虫がいる方が、農薬が使われていなくて体に良い美味しいナスなんじゃないかと思うようになりました。

出来ることなら、料理する前に、お客さんに提供する前にちゃんと確かめてほしいけどね。

おばさんは謝りませんでした。私もいつも通りお金を払って席をたちました。

 

日本だったら嫌な気持ちになっていたかもしれない、と思いました。

おばさんは今後も気をつけないでしょう。お客さんたちも、幼虫が出てきても、ああ幼虫か。くらいにしか思わないのでしょう。

お店で食べている料理から幼虫が出てきても笑って気にしないのもフィリピンの良さだなーと思いました。

 

これを機に、トルタンタロンが嫌いになったということはありませんでした。慎重に観察しながら食べるようにはなったけれど、食べ続けました。

その後も、幼虫さんにお会いする機会が一、二度ありました。

このペースで出てくるなら、既に何匹か食べたなと思いました。食べていたとしても、気づかなかったし死ななかったし問題ないなと思いました。

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