塩を焚く!塩焚き合宿の感動と学び

塩を焚いている様子

調味料の基礎の基礎。塩。

醤油も味噌も漬物も塩が無ければできません。

 

塩を自給するなんて考えたこともなかった私が、塩って作れるんだ!と知ったのは、昨年ブラウンズフィールドで行った塩焚き合宿がきっかけでした。

 

しかし、昨年は塩焚き合宿中は別の仕事をしていたため、「塩は焚ける」という事実を知っただけ。

そこから「塩を焚きたい」という思いをあたため、今年は、私の「やりたい!」という思いから塩焚き合宿を開催しました。

 

講師は岡本よりたかさん。いつもお世話になっております。

 

「塩を焚く」という作業は、ただ海水を煮詰めて水を飛ばすだけではありません。

 

今日のブログでは、塩焚き合宿での学びや感動について書いていこうと思います。

 

 

今回は、天日の力は使わずに、海水をひたすら煮詰めてから炒るという家庭でもやりやすい方法で行いました。

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今回の塩焚きのステップ

  1. 海水を汲む

    汲んだ海水を樽に入れて軽トラで運ぶ様子

    汲んだ海水は樽に入れて軽トラで運びました
  2. 鍋に海水を入れ、沸かす

    塩を焚いている様子

    塩を焚いている様子
  3. 沸いたら、中火にしてゆっくりと水分を飛ばす
  4. 海水が白く濁ってきたら、コーヒーフィルターで濾す(コーヒーフィルターに残る硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムは捨てる)

    濾している様子

    濾している様子
  5. 鍋にこびりついた硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムをこすり落とす。
  6. 濾した海水を再び火にかけ、中火で煮詰める。1~6を2~3回繰り返す。
  7. 塩が出てきたら、塩が水面からギリギリ出ないくらいまで煮詰めてから、コーヒーフィルターで濾す。コーヒーフィルターに残るのが、塩。下に落ちるのがニガリ。
  8. 塩を土鍋で炒って、水分を飛ばす。

    炒りはじめの塩

    炒りはじめ ※以下動画のスクリーンショット多数。画質悪め。ごめんなさい

    炒り終わりの塩

    炒り終わり
  9. 完成!

    完成した塩

    完成した塩とニガリ 味でランク分け

 

難しポイントは、濾すタイミングでした。

濾すことで取り除きたい硫酸マグネシウム、硫酸カルシウムです。これらが残っていると、えぐい塩になってしまいます。

上記2つ(硫酸ズと呼ぶことにします)は、塩化ナトリウムなどの塩として残したい成分よりも先に結晶化するため、煮詰めて最初に出てくる結晶を取り除くことで、えぐ味を取り除くことができるわけです。

 

濾すタイミングは、目視だけでなく、鍋にこびりついた塩を味見して確認しました。

硫酸ズをできるだけ取り除きたいけど、結晶化させすぎると、塩化ナトリウムやほかのミネラルもそのぶんたくさん結晶化してしまいます。しかし塩化ズはできるだけ多く残したい。。ギリギリのラインを攻めるわけです。(伝わる…?)

 

濾すタイミングが早すぎると、最終的に残る塩に硫酸マグネシウムと硫酸カルシウムが残りすぎて、えぐい塩になってしまい、遅すぎると、最後に採れる塩の量、ニガリの量が少なくなってしまうのです。

 

ちなみに、このような方法で海水から作る塩は、

塩化ナトリウム(いわゆる食塩)が主成分ではありますが、他にもマグネシウム、カルシウム、カリウム、硫黄、塩素などが含まれています。

 

そのため、「ただ塩辛い」塩ではなく、甘味があったりまろやかな塩辛さがある塩になります。

 

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今回は、家庭でも実践しやすい方法で塩を作りましたが、

大規模な塩づくりになると、生成方法がいくつかあるそうです。

 

揚げ浜式塩田

水が染み込まないように固めた「塩浜」に、人力で運んできた海水を繰り返しまいて天日乾燥させ、塩分をたくさん含んだ砂をつくります。この砂についた塩分を海水で洗い流してかん水を採り、釜屋と呼ばれる小屋で煮詰めます。平安時代にはすでに行われていた伝統的な製法で、現在でも能登半島の一部で行われています。(引用元:

日本の塩造り|塩を知る|個人のお客様|株式会社 日本海水 閲覧日:2023/12/14)

 

入浜式塩田

潮の干満差を利用して塩田に海水を引き込む製法で、これにより海水を汲み上げる労力が要らなくなりました。碁盤の目のように引かれた浜溝から海水が塩田全体に広がり、毛細管現象によって砂の表面にしみ出すので、塩分を多く含んだ砂ができます。これを集めて沼井(ぬい)に入れ、上から海水をかけてかん水をつくります。入浜式の製塩は、室町時代末期にはすでに行われており、昭和30 年頃まで約400年にわたり盛んに行われました。(引用元:日本の塩造り|塩を知る|個人のお客様|株式会社 日本海水 閲覧日:2023/12/14)

 

現代、一般的に広く販売されている塩(食卓塩など)は、精製塩と呼ばれています。

これはまた違った方法(イオン交換膜法)で作られているそうです。

この方法だと、大量に、均一な品質の塩を作ることができます。

 

しかし、この精製塩にはデメリットもあります。

天然の塩には、塩化ナトリウム以外にも、マグネシウムやカルシウムなどのミネラルが含まれますが、

精製塩は、塩化ナトリウムの濃度が非常に高く、ミネラルは取り除かれています。

 

そのため、精製塩ばかりを食べていると、からだに必要なミネラルが不足しやすくなってしまうそうです。

 

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合宿では、出来立て海水ニガリと自家製の大豆でお豆腐作り、お揚げ作りも行いました。

最後に鍋の蓋を開けるまで、本当に手作りニガリで豆腐が固まるのか???と半信半疑でしたが、しっかり固まっていて感動しました。

ニガリをうつ様子

ニガリをうつ

豆腐

豆腐

 

そして、そのお豆腐が濃厚絶品。

醤油も良いですが、出来立てお塩とオリーブオイルでいただくのが優勝でした。

 

お揚げは、出来た豆腐を水切りして、油で揚げて作りました。

水切りが足らず、お揚げというより、薄い厚揚げみたいなものができましたが、こちらも絶品でした。

お揚げ

お揚げ

 

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塩作りは、実際にやってみると、味噌、醤油を作るよりもシンプルだと感じました。

材料は海水だけですし、道具をそろえるのも難しくありません。

 

消費量が多い分、完全に自給するのは大変ですが、少し作ってみるだけでも暮らしの豊かさに繋がると思います。「手作りの塩」はとっても貴重なので、ブラウンズフィールドでは、野菜のグリルや、フォカッチャなどシンプルな料理に使っています。

 

塩づくりのために、ずっと火を焚いているともったいないですが、薪ストーブや灯油ストーブの上に海水を入れた鍋を置いておけば、塩焚きできますよ○

 

私も、ストーブの上でやってみる予定です。

 

では、よいお年を。

 

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