こんにちは、そりはるです。
普段自分が食べている野菜の種について知っていますか?
一般的に、植物は種をまいたら生えてきて実がなってまた種が取れて、そっから芽が生えて...
というように生命が続いていくイメージがあるのではないでしょうか?
でも、皆さんが普段、一般的なスーパーで野菜を買っているとしたら、それは「生命が続いていく種」からできた野菜ではないことがほとんどです。
今日は、野口勲さんによる『タネが危ない』という本を紹介します。
これは、日本で唯一の「生命が続いていく種」だけを扱った種屋さんが書いた本です。
続いていく種は固定種
一代限りの種はF1種(一代雑種、交配種)といいます。
F1種は大量生産大量消費の社会に向いています。
大きさ、形がそろっている、生育が早いといった野菜を作ることができます。
F1種は突然変異でおしべに異常がある株を利用したりしてつくられるそうです。
また、F1種は一代限りの種であるため、種苗会社にとって、種が毎年売れるというメリットがあります。
固定種は、地域で何世代も採取され、「固定された形質が親から子へ受け継がれる種」だそうです。
昔は、固定種の野菜しかありませんでした。
不揃いではありますが、固定種の良さの一つとして美味しいという点があります。
『タネが危ない』の中で紹介されているカブのコンクールのエピソードがとても印象的です。
出品している32点の中で野口さんのカブだけが固定種。その他の種苗会社のカブはF1です。
審査では見栄えが評価対象になるので、野口さんのカブが賞を取ることはできないそうですが、コンクール後、F1を扱うの種苗会社の人たちが、「F1のカブなんてまずくてくえたもんじゃねえからな」と言って野口さんのカブを持って帰るという話がとても印象的です。
このお話は野口のタネHPでも紹介されています↓
固定種の野菜を食べてみたいという気持ちが掻き立てられますよね。
私は、さっそく固定種の野菜が食べたくなり、楽天市場で固定種の野菜を探してみたところ、ふるさと納税の返礼品の野菜セットを見つけました。
つい先日届きましたが、見たことのない個性的な野菜たちが入っていました(ノ*°▽°)ノ
赤ピーマンと赤とうがらしを生でかじってみました。パリッとした食感、トマトのような甘さ、みずみずしさで感動!
緑は熟していないので甘味はないですが、炒め物にしてもパリッとしていて美味しいです。
こちらのレシピでガパオライスに
私が購入したのはこちらのお野菜セット↓ ふるさと納税の返礼品としてではなく、普通に購入することもできますよ。
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上記リンクの農家さんのホームページ↓
(説明の中に、固定種ということばと在来種という言葉が出てきますが、在来種は固定種の一種だそうです)
固定種の野菜は、インターネット上で購入して取り寄せることもできますし、地方野菜を置いている道の駅や有機野菜を置いているお店などでも手に入るみたいです。
『タネが危ない』を読んで、なるほどと思ったのは「生き物は、不揃いなのが普通」ということです。
同じ親から生まれても、身長、体形が違うきょうだいがいます。
見た目に限らず、それぞれ個性があって、ばらつきがあるからこそ、もし自然界で危機が起きてもどれかが残って、生命を繋ぐことができるのだそうです。
しっかり揃ったF1種は危機が起きた時に全滅の可能性があるということになります。
先にも述べた通り、F1種はおしべに異常のある株を利用して生まれます。これは遺伝子の異常です。子孫を作ることができません。
私たちは普段そんな植物を食べています。
これはすごく衝撃的なことじゃないでしょうか。
衝撃を受けても、普段買う野菜を変えるというのは簡単なことではないと思います。
野口さんは、固定種は家庭菜園向きで、一番いいのは栽培して自分で種を採ることだと述べていますが、栽培するのも簡単なことではないと思います。
でも、知ることは重要だと思います。
固定種への興味が湧いた、是非一度、固定種の野菜を食べてみたいと思ったという方がいると嬉しいです。
自分が普段食べているものがどのように作られているかを知る、食から自分自身、生命、環境について考えるきっかけとなる本でした。
『タネが危ない』では、F1種の普及による人間、動物への影響、環境への影響についても問いかけられています。
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参考:
・野口勲(2011)『タネが危ない』日本経済新聞出版社 p.69, 84-89, 119,166
・野口のタネ/野口種苗研究所の2021年トップページ(2021/10/03閲覧)