お肉は体にも、環境にも悪影響?お肉が好きだからこそ知っておきたいこと

豚の丸焼き

 

今日は美味しいだけではない、お肉の暗い面について考えてみようと思います。

 

 

お肉は、美味しいです。ハンバーグ、焼肉、しゃぶしゃぶ…今まで何も考えずに美味しく食べてきました。

 

でも、お肉を食べることには思わぬ悪影響もあるということを知りました。

お肉は、食べる人の健康の問題、さらには環境問題をも引き起こす原因となっているのです。

 

あ、先に行っておきますと、私はお肉を一切食べるな!というためにこの記事を書いているのではありません。私も、今のところ完全にやめるつもりはありません。

ただ、私は「お肉を食べることによる悪影響」について知ってから、自分の食生活を少しずつ変えてきたので、この記事が誰かにとって「考えてお肉を選ぶ」ことや、「食生活を少し変える」ことのきっかけになれば良いなと思います。

 

 

①身体への影響

ではまず、身体への悪影響について。

 

 

私は、食生活については、アンチエイジング専門病院満尾クリニック院長の満尾正先生の、『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』(※1)を最も参考にしています。

満尾先生によると、

お肉、特に豚肉や牛肉を食べることは、様々な病気の原因となり得ます。

 

肉食が過ぎると、体内の炎症が促進されてしまいます。

炎症とは、細胞が傷つくことで生まれる現象で、炎症のレベルが上がるとあらゆる病気を発症しやすくなります。炎症が引き起こす代表的な疾患としては、歯周病(歯周炎)、関節炎、膠原病、アトピー性皮膚炎、肝炎、腎炎、動脈硬化、認知症、がんなどがあります。

 

さらに、牛や豚などの肉は腸内細菌によって発がん性物質をつくるという報告や、タンパク質源としての肉類の摂取が増えると、特に男性の場合において死亡率の上昇につながるという報告もあります。

 

さらに、赤身肉の定期的な摂取が腸内細菌が消化中に生成する副産物の一つ「TMAO」の血中レベルを上昇させ、同時に腎機能を低下させるといわれています。この病態は、動脈硬化と心疾患の合併症を引き起こします。

 

こういったことから、満尾先生は魚や大豆など他のタンパク源をバランスよくとることが重要だと述べています。

 

なるほど、毎日お肉を食べるのが少し怖くなってきました。

 

では次に、環境への悪影響を見てみます。

  

②環境への影響

草原の牛



地球温暖化の原因となる温室効果ガス。その原因は主に「化石燃料の使用」と「畜産による動物性食品の消費」です。畜産が地球に与える影響は極めて大きいことが近年の研究で証明されています。

 

具体的にどのくらいの悪影響があるのでしょうか。身近な例ですと、通常のハンバーガーのパティを一個作るのに2500ℓの水が必要であり、さらには、通常のパティ1個あたり、ガソリン車が約18km走るのに匹敵する温室効果ガスを排出しているというデータもあるそうです。(※2)また、家畜動物たちが産出する温室効果ガスの量は、全世界の交通機関(自動車、飛行機、船)から算出される温室効果ガスの量よりも40%も多いそうです。

 

現在、畜産業は、家畜を太らせるために必要な穀物の生産にすべての耕作地の33%を使用しています。森林が新たな放牧地のために削られると、深刻な森林破壊を招きます。ブラジルのアマゾンで伐採された森林の70%は畜産のための放牧地となっているそうです。

 

また、畜産業はCO²の23倍強力な温室効果ガス、メタンガス発生の原因にもなっています。畜産業は年間1億t以上のメタンを排出しており、その85%は反芻動物の消化器系からもたらされています。畜産動物の糞尿からも、メタンが発生します。

 

また、畜産業は水不足の原因ともなっています。穀物1kgの生産に必要な水は2~7tですが、牛肉1kgを得るために必要な水は100tです。大規模な過放牧は、地下水源を減少させながら、水循環に悪影響を及ぼしています。既に、黄河を始めとする世界の大河が暖龍と呼ばれ、海まで届かない現象が起きています。

 

国連環境計画では、今後増加する人口を養う水を確保するためには、肉の消費を減
らさなくてはならないと警告しています。

 

現在世界では、8億5000万人の人々が飢餓状態にありますが、食糧不足に拍車をかけるのが、食肉消費の著しい増加です。畜産物の生産には、その何倍もの穀物が必要です。牛肉1kgに13kg、豚肉1kgに7kg、鶏肉1kgに3kgの穀物が必要です。世界の穀物の40%は家畜のためにの飼料にされます。アメリカの家畜が消費する穀物と大豆で13憶人が食べることができるという報告があります。(※3)

 

 まとめ

以上、お肉を食べることによる悪影響でした。

えー、お肉大好きなのに。。ショックという方もいるでしょう。

でも好きだからこそ、その悪い面も知らなくてはいけないと私は思います。

そして、少しでも、自分の食生活を見直す必要があると思います。 

 

私は、今のところヴィーガン(完全菜食主義者)になるつもりはありません。

ヴィーガンを否定しているわけではありませんが、外食が気軽に出来なかったり、家族と食事を別にしたりということが負担になると思うので、今の私には難しいです。

 

では、お肉の問題にどのように取り組んでいくのか。

 

 

私は現在、朝と昼は基本的に動物性のものを食べない食生活をしています。乳製品や卵、魚も基本的に食べていません。

代わりに、豆乳、豆腐、納豆、大豆ミートなどの大豆製品や、他の豆類を食べています。

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夜は母が作ってくれるものを食べており、お肉もお魚も食べています。

1人または親と外食するときは、ヴィーガンの料理があるレストランを選んでいますが、友達と外食するときは、どこでも行きます。

 

お肉による環境問題、健康問題を知ってすぐのころは、まずはお肉を食べる機会を少しだけ減らすことから始めました。会社に持っていくお弁当に牛、豚、鶏のお肉を使わないようにし、代わりに卵、魚を入れるようにしていました。朝と夜は普通に何でも食べていました。

 

このような、柔軟なスタイルで「お肉を食べる機会を減らす」というやり方から始めるのがおすすめです。

週に一日はお肉を食べない「ミートフリーデー」を作ってみたり、週に一食だけでもお肉を食べない日を作ったりするなど簡単に変えられそうなところから始めると、やりやすいです。

 

 

おすすめ

満尾先生の『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』は、お肉に限ったことではなく、食生活、健康について知っておくべき重要なことが分かりやすく書かています。

満尾先生によると、

やる気に満ちた毎日を送り、ビジネスにおける生産性を向上させて人生のコストパフォーマンスを最大化する健康状態を手に入れたいと思うのならば、今すぐ思考を切り替えて、染み付いた悪しき食習慣を上書きする必要があります。

食べるのが大好きな人、ぼーっとする、眠れない、イライラするなど何となく自分は不健康だなと感じる人、パフォーマンスを上げたい人、などはぜひ読んでみてください。

 

 

また、お肉を食べることによる、環境への影響については、原貫太さんのYoutubeの動画がとてもわかりやすいです。私も参考にしました。

肉を食べるとなぜ温暖化が進む?肉食と環境破壊の驚くべき繋がり

 

また、植物性のものだけを使って作られた「フェイクミート」に特化した情報メディアが非常に面白くておすすめです。え、植物性の食べ物ってこんなに豊かなのか!奥深い!食べてみたい!という気持ちになります。

フェイクミートに特化した情報メディア『NEXT MEATS』代替肉・培養肉・人工肉・植物肉

 

 

参考資料

※1 満尾正(2019)『食べる投資 ハーバードが教える世界最高の食事術』

※2 Makuake|お肉だけどお肉じゃない!?進化したプラントベースの『ネクストバーガー 1.2』|マクアケ - クラウドファンディング(2020/09/13閲覧)

※3 堆肥づくりあれこれ『ローズマリー』環境・健康部 平成26年度 消費者問題調査研究報告書『肉食(畜産)が影響を及ぼす「地球環境・食糧危機」と「動物虐待」と「生活習慣病」』

http://tifa-toyonaka.org/wp-content/uploads/bf5e75a1eb971dcb5171192902de135c.pdf